プロのアドバイス 第13回
<失敗しないリフォームのために>
今月のテーマ・<整理のこと>つづき 整理した荷物の収納場所 荷物をあらかた計画的に整理をしたとすると、後はどこにしまうかという問題になります。
家具を新規に購入するのも一つの方法ではあります。
「リフォームでもっと効率的に」と考えるのは当然です。
しかしリフォームにおいて平面的なプランだけを立てるととかく収納計画がおおざっぱなものになりがちです。
押入れ、クローゼット、納戸(部屋)まで平面プランで一般的に出てきます。 次によく作られるのが小屋裏収納、床下収納庫でしょう。ここまでは営業(又は設計)担当に相談すれば直ぐ回答が出てくるものです。
しかしまだまだあります。階段下の物入れやトイレ・洗面所の棚(吊戸棚)や、在来工法なら壁面を利用した小物棚(本棚)なども作れますし、出窓下の空間利用や階段の段差を利用した引出しなども作れます。
アイデアしだいで未活用の空間はいくらでもあります。
とかく営業担当者は契約の上で、「めんどうくさい」仕事は避けがちです。もっと施主の方から質問してみてください。
だだし、何でも作れば良いというものではありません。
当然のことながら、作れば工事金額はアップしますし、工期が延びる場合もあります。工事の途中ならなお更です。
荷物の整理計画を立て、しまう場所を考える時に設計者の「プロとしてのアイデア」を出してもらいましょう。(残念ながら、必ずアイデアがあるとは限りませんが)
少しの金額でズッと有効に荷物の整理が出来るはずです。
それがリフォームの特徴の一つです。
プロのアドバイス 第12回
<失敗しないリフォームのために>
今月のテーマ・<整理のこと> 整理したい荷物 新築は当然ですが、一定規模以上のリフォームも家具や荷物の整理は不可欠です。
それも、プランニングの段階でやっておきたいものです。荷物の量によって、プラン、特に収納の計画は大きくかわります。
床面積に制約を受けるマンションではなおさらです。簡単に増築出来ない都市の戸建ても同じです。
もし何年も使っていない物があるのなら、一度本当に必要なものかどうか検討して下さい。
「とりあえず保管しておいて、リフォームが終わってからゆっくり考えよう」という考えは、決して良い結果を生みません。
大量に戻ってきた荷物に埋もれての生活では、せっかくのりフォームも台無しです。
また必要以上に荷物に家を「占領」された間取りになってしまいます。
個室が5室ある家で、リフォーム後 3室が荷物に
占領された実例があります。その後、きっと大変な
苦労をされたことと思います。
荷物は増え続けます。リフォームを機会に、一度荷物の整理をされてみては。リフォームのプランも、より柔軟になるはずです。
つづく
プロのアドバイス 第11回
<失敗しないリフォームのために>
今月のテーマ・<難しいこと> プランニングについて 前回、二世帯住宅について書きましたので、少し続きをお話します。
これから世の中は高齢化が進むし、自宅での介護も多くなると予想されています。
介護保険制度の欠点の問題は、その道の専門の人のご意見を尊重するとして、リフォームの時にどうするか、ということです。
高齢のご家族や、介護の必要な方がはっきりと意見・考えを言われる方ならよろしいのですが、まだ入院中とか、遠慮がちという方は多いものです。
その時のリフォームも注意が必要です。いや健康な高齢者との同居の時より、一層難しいリフォームになります。
病気が進行性であったりしたら、なおさらです。病院の先生や、リハビリの専門家の意見を十分に聞きたいものです。
残念ながらリフォーム会社の担当者(設計者)はこの点では、十分に理解しているとは言いがたいのが現状です。(勿論個人差はあります)
最近「福祉住環境コディネーター」という資格制度が出来、リフォーム関係者も多く受験していますが、まだ福祉関係の方の方が多いようです。
こういう特殊なリフォームの時はリフォーム会社を選ぶのも大切ですが、その会社の担当者がどういう実力を持っているか、またこういう問題に熱心かも大きく影響います。
大手リフォーム会社であっても事情は同じです。会社の規模は小さくてもこういうことに熱心に取組んでいる会社の方が良い場合が多いものです。
いずれにしてもこういうリフォームは十分に現状の把握と将来の予想をしっかりしてから設計(プランニング)、工事にかかりたいものです。
プロのアドバイス 第10回
<失敗しないリフォームのために>
今月のテーマ・<気が付かないこと> プランニングでの落とし穴 今日はチョット視点を変えてお話ししたいと思います。
最近は二世帯住宅も多くなり、そのためのリフォームも多くなっています。そういったケースの半分以上は、若夫婦がプラン打合せの中心になります。
ところがここに一つ問題があります。
若夫婦とリフォーム会社の営業(又は設計)担当者が若い人ばかりになると、どうしても高齢者のことがよりわかりません。
書籍で学んだことで扱いがちになります。でもバリアフリーや高齢者対応住宅の設計のポイントは書いてありますが、あくまでハード面です。
でも本当は、それだけではないソフト面(心、気持など)のフォローと、それをどう
プランに生かすかです。
「若い者にまかせたから、私ら年寄は口を出さない」と言われている、と思います。でも、いやだからこそ両親などのことを考慮しなければいけないのではないでしょうか。
何十年も使いなれたものや、不要になった思い出の品物をどう扱うのか。慣れ親しんだ家の間取りが一気に変ってしまって、大丈夫だろうか。
単にデザインや、合理性・機能性だけにとらわれず、家族で考えて欲しい。またプランに携わるリフォーム会社の者も、もう一度考えてみても良いのではないか。
家を建て替えたり、増改築すると、何か不幸なことが起こると言われる。そんな原因の一つが、こんなところにあるのかも。
プロのアドバイス 第9回
<失敗しないリフォームのために>
今月のテーマ・<リフォームを始める前に>2 工事の時期など注意したいこと(続き) 前回に続いて工事の時期のことです。
工事の時期で1番注意しなければならない時期は盆と暮れ(夏休みと年末・年始)です。
例えば、年内いっぱいの工期だったとします。多分12月28日ぐらいが最後でしょう。
通常の月ならば、例え遅れても、翌月の初めには終わります。でも、年末はそうは行きません。
12月28日頃から職人さんが、仕事を終わって実家に帰ってしまうケースが殆どです。再開は正月開けの1月10日ぐらいからです。どうにもなりません。
建築の工事で、遅れが出るのは日常茶飯事です。リフォームは、新築と違って住みながらの工事なので、俗にいう追い込み(突貫工事)が難しい工事です。
木工事、設備工事、内装工事、外装工事など工事の順序があり、ひとつ遅れると全体に影響が出て、予想もしない遅れになります。
1日の遅れが、全体として1日で終わらない影響が出るものです。
もし資材の間違いや、遅れが出ると最悪です。メーカーは12月25日頃工場が終わってしまい、製品の出荷が止まってしまいます。
最近は問屋さんや代理店の倉庫の在庫が少ないのでなおさらです。
設備機器の一つが無くても生活は出来ます。でも正月は来客が多いし、工事が残っては、気持ち良く新年を迎えられません。
そのようなことのないように、盆と暮れ(夏休みと年末・年始)は、工期に余裕をもって下さい。
プロのアドバイス 第8回
<失敗しないリフォームのために>
今月のテーマ・<リフォームを始める前に> 工事の時期など注意したいこと
小さな工事(一日で終わる工事など)や、故障など緊急性のある工事は別として、大きな工事は、工事の時期や工事中の生活について良く検討しておきましょう。
住みながらの工事は、工事期間中の荷物(家具など)移動や、荷物自体を置いておく部屋が殆ど使えないなど、工事している部屋自体の他にも使えない(生活出来ない)部屋があり、かなり不自由があるものです。
家族が大勢の家庭は、十分注意して下さい。
またキッチンや浴室の工事の時は、炊事が出来ない期間は何日間か、仮設キッチンの用意はあるのか、浴室の工事では、近くに銭湯があるか、一時的に借りられる知り合い(両親の家など)あるか、良く検討しましょう。
次ぎに時期についても注意が必要です。
特に病気の方や、家で仕事をなさっている方など慎重に検討して下さい。
そして受験生がいるご家族の家は、時期をずらす方が無難です。
プロのアドバイス 第7回
<失敗しないリフォームのために>
今月のテーマ・<リフォーム会社の質とは> 面倒な仕事から逃げる会社は避けよう リフォーム会社も民間企業であるから、当然利益を求めている。
だからと言って利益の出ない事を逃げるのでは、お客様のことを
考えていない、「金儲け主義」といって良いでしょう。
利益の出ない仕事というのは、
まず良くあるのが
お客様自身で購入する家具・照明器具などのアドバイス
リフォームしたら家具・照明器具なども新しくしたいもの
リフォーム会社の方でも、自社の取扱商品を薦めるはずです。
ところがいったん、お客様がご自身で購入するとなると
アドバイス・相談もおざなりになってしまうようでは、
その会社の質が低いと言えます。
適格なアドバイスが出来て初めて「良質な会社」と
いえます。 <公庫書類>
次ぎに
融資の手続き(特に公的融資)
の代行(又は手伝い)
そして登記の代行(又は紹介)などです
このような事は、お客様にとって一生に
一・二度のことで、非常に面倒くさい
事です。
ただ間違うと何度でもやり直しになり、
最悪の場合、融資が受けられないという事
もあり得ます。
当然リフォーム会社の方が慣れているし、早く確実です。
「融資の申込は、お客様が直接銀行などでするように融資
申込書に記されているので、お客様でなさって下さい」
と言うのは、間違っていませんが、本当の顧客サービス
から逃げているだけです。
このような会社でリフォームされると、後でリフォーム減税
(住宅取得等特別控除)が受けられない、
という事にもなりかねません。
いずれにしても、利益の出ない仕事で、どれだけ親身に手助けしてくれるか、
それが「良質な会社」を選ぶ秘訣かも知れません。
プロのアドバイス 第6回
<失敗しないリフォームのために>
今月のテーマ・<資金計画は余裕を持って> 見積にはない費用も出て来る 見積が出てきて、十分に打合せをし、契約に近づいた時にもう一度資金計画を見直して見ましょう。
もしあなたが公的資金(住宅金融公庫など)を利用していれば、手数料、保証料などが、融資申込金額からその分が引かれて銀行に振り込まれます。
20万円以上になることもあります。その分は手持資金などで埋めることになります。
(公庫申込書・例)
また増築工事などでは、登記費用などが必要です。
勿論諸官庁への手続(建築確認申請など)の費用も必要です。
電力会社、水道局などへの納付金が見積に入っていないこともあります。
もし仮住まいする場合なら、仮住まい費用や引っ越し費用もばかになりません。
これら工事の見積以外に当然必要になる費用を用意しておくことも、リフォームの知識として覚えておいて下さい。
当然これらの説明は、リフォームする会社の担当者から事前に説明があるべきで、それがないのは、その会社(担当者)が契約ばかりを優先して、お客様のことを二の次にしている証とも言えます。
そんな会社の良くある特徴は、次回に書きます。
プロのアドバイス 第5回
<失敗しないリフォームのために>
今月のテーマ・<プラン・設計は良く考えて> リフォームはバランスを考えて 資金面は当然のことですが、プランも家全体のバランスを考えて行いましょう。
よく住宅雑誌、リフォーム雑誌を見て「これと同じものを」という方がいます。
問題ない場合もありますが、殆どは疑問なことが多いのです。
新築は勿論ですが、リフォームの場合も家全体をリフォームした時の一部分が掲載されている事が多いのです。
それも当然プロのカメラマンが撮った写真です。
ですから、もし写真どおりの工事を行っても家全体としてバランスの悪い、使い勝手の悪い家になりかねません。
特に一部分だけのリフォームを実施する場合は、注意が必要です。
和風の家に、真っ赤なシステムキッチンや、アメリカンスタイルのリビング・ダイニングも好みですが、もっとやり方があるはずです。
お客様がどうしてもとこだわらない限り、リフォーム会社の担当者(設計者)がその辺のことはわかっていて、きっと良いプランを出してもらえるはずです。
もしそのようなプランが提出出来ない会社は、やめた方が良いといえます。
繰り返しますが、人が個性を持っているように家にも個性があります。それがマンションであってもです。
同じ間取りのマンションであっても、同じプラン(設計)のリフォームはありません。住んでいる人が違うのですから当然です。
雑誌の良いところを取り入れても、そっくり真似するのはやめましょう。
あなたの家にあった最適なリフォームを行って下さい。
プロのアドバイス 第4回
<失敗しないリフォームのために>
今月のテーマ・<工事着工前に注意すること> リフォーム会社の質は、着工前の姿勢で良くわかる ともすると契約前はどの会社も親切、丁寧でなかなか会社の質は分からないものです。
でも契約が終わると、急に対応が雑になったりしたら要注意。
連絡しても、担当者が来ないで下請けの者が来るなど行き違いが生じる原因です。
リフォームは、新築と違って図面と仕様書だけで工事が出来ることは殆どありません。勿論図面などは、必要です。
既存の建物の状態にも大きく影響されます。工事が始まっても、後から分かることも多いのです。
そんな時、きちっと対応するのがリフォーム会社の担当者の役目です。
職人まかせなど、とんでもないことです。
ましてや内装材を決定する時、サンプル帳を置いていって「ここから選んでおいて下さい」など担当者の身勝手というものです。
そのな業者ほど、工事の工程表も出さず着工したりするものです。工程表がなければ、どういう風に工事が進んで、いつ終わるのか分かりません。
また着工前に施工する会社(時には職人)を紹介しないのも、要注意です。
きちっとした施工会社がいないか、決まっていない場合もあります。そんなリフォーム会社は、その場しのぎで、空いている職人で間に合わせの工事をしたりします。
契約後の対応で、会社の質を判断することはちょっと注意すれば分かります。
着工を急がないで、納得できないことを残さないようにしましょう。
その上で工事にかかるようにしましょう。日数も余裕をもって。
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今月のテーマ・<見積の見分け方>
Part2リフオームも「価格破壊」が始まった
−でもそれは良いことばかりなのか−
前回述べた様に、一般の方が工事の内容を事前に全て理解する事はムズかしい。単純な工事でも本当の意味での見分けが困難なのに、大きな複雑な工事ならなおさら。
例えば、マンションでカーペットをフローリングに張り替える工事を例にとってみよう。
あるカーテン・カーペットの販売業者がチラシで格安の価格を打ち出し、工事を受注した。その内容はカーペットをはがし、床スラブ(コンクリート)の上に、コンパネ(厚いベニヤ)を捨て張り(下地のこと)して、その上に安物の合板フローリングを貼ったもの。
ちょっとまとものリフォーム会社なら、こんなムチャはやらない。下の階への騒音は相当なものだし、少し期間がたてば、バタバタ音が出始めるに違いない。
こんな業者は後からクレームを言っても、きっとまともに相手をしてくれないだろう。
良心的な会社なら、管理組合に届けを出し、防音フロアなどを使って、慎重に工事をするはず。もっとしっかりした会社なら、最近話題になっている、ホルムアルデヒトにも気をつかい、説明もしてくれるはず。
一般のお客様が、この内容の違いを見積から判断は、決して無理ではないのです。見積を届にきた業者さんに質問をし、説明を求めれば良いのです。
でも、その前に各社・店の見積金額の差が2〜3倍になっていたら、おなたはどうされますか?
このような見せかけの「価格破壊」は願い下げにしたいものです。
プロのアドバイス 第2回
<失敗しないリフォームのために>
今月のテーマ・<見積の見分け方> 何故、各社で金額の違う見積が出てくるのか アドバイス
1.違って普通と考えよう
・漠然とした内容の説明で同じ金額の
見積が出てくることはない
官公庁の図面、仕様書に元づく見積
ならともかく、お客様が口頭で説明
した程度の内容に元づく見積では違
いが出て当然
2.内容の確認をし
よう
・図面だけで判断
出来ない部分を
チエック、質問
しよう
グレードで金額
が大きくかわる
(特にキッチン、
ユニットバス)
* 必要以上に高い商品は、全体
の金額を押し上げるだけ。
本当に希望しているものか再検討
3.工事範囲を確認しよう
・一見同じでも工事範囲が違えば、
金額の違うのはあたりまえ
壁紙の張替はどこまでなのか
塗装の範囲はどうか
仮設浴室の費用 などいろいろ
4.専門分野の工事か、総合的なリフォ
ーム工事か
・塗装だけ、壁紙だけというような工
事なら、専門会社のほうが金額面で
強くてあたりまえ。
総合工事なら大手会社が強い。メー
カーや施工会社を押さえている。
・何かの専門会社が、専門外の工事
を手配すると比較的金額が高く
なる。
小さな工務店も、同じことが言
える。
以上見積金額について述べました。でも金額だけで判断、決定出来ないのがリフォームの特徴。
施工力、設計力、デザイン力
がある会社は、多くのスタッフ
がいて比較的金額が高くなってくる。この点をどう評価するか。またアフターの問題と会社の信用力の評価も検討課題。
いずれにしても単に見積金額だけでは判断出来ないという事です。
*こんなひどい例も
ある
カーテンを開け
てビックリ、
元々外壁に面し
ていて、増築
部分に接した
部屋で増築側の
窓が残したまま
になっていた。
これなら費用も
安くなるはず
*ただ大手はスタッ
フ、ショールーム
などを抱えてい
て、経費が入って
くることもあり
割高感がある
プロのアドバイス 第1回
<失敗しないリフォームのために>